商売(ビジネス)をするならお金のことをしっかり理解しよう

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お金とは何か

人・モノ・カネ・情報という経営資源の中でも、経営にとって「血液」とも言われるほどに重要なお金ですが、「お金とは何か?」との質問に的確に答えられる人は少ないです。

起業を考えたり、自らの夢のために商売を始める人は多いですが、ここでも「お金とは何か?」との質問をすると、

  • 経営、生活に絶対に必要なモノ
  • 裕福な暮らしを実現するためのモノ
  • 将来の不安を払拭するモノ

などの答えが返ってきます。どれも間違いではないですが、正確には「商品と商品を交換するための証明書」です。

1万円は何か?と聞かれると「1万円でしかない」としか答えようがありません。1万円でどのようなことが出来るかを想像したときに、

  1. 本を何冊買えるかな?と想像した人も、
  2. 居酒屋でどれくらい飲めるかな?と考えた人も、
  3. どんな服が買えるかな?と考えは人もいるでしょう。

このような多くの人の価値観で1万円の価値が決まっているだけです。例えば食糧難の貧困に苦しむ国では1億円分の1万円札の束よりも、食料や飲料の方が価値は高です。

ボールペンなども非常に求められます。使えもしない1万円はただの紙切れでしかないのです。

商品と商品を交換するのがお金

昔は多くの国でお金は字のごとく「金」でした。金貨や銀貨、日本の大判小判も金でした。イギリスの通貨はポンドで、ポンドとは重さの単位です。

時代とともに物々交換から、金を介しての商品取引となり、金ではなく証明書(この人はこれだけの金を持っていることを証明すると銀行が発行する券)へとかわりました。

日本では日本銀行がそのことを証明してくれる証明書なのでどのお札も日本銀行券と印刷されています。ニクソンショックやケインズの経済政策により、現代の貨幣は金との交換の時代と少し性質は変わりましたが、商品と商品を交換するための証明書であることに違いはありません。誰が何と言おうが1万円札は日本銀行券以上でも以下でもないのです。

商品と商品の交換のためにお金を介する原始的な取引はこのように表記します。

交換ではなく商品の購入に使うのでは?

物々交換でもあるまいし、商品と商品の交換ではなく、商品の購入の時に使うのがお金では?と思わないでしょうか。

では、そのお金はどうやって手に入れたのだろうでしょうか?

ほとんどの人は労働により給料や報酬としてお金を手に入れます。実はほとんどの人は「労働力」を売ってお金に換えているのです。誰に売っているのかというと基本的には資本家です。

資本家は労働力を買い、労働者は労働力を売ることでお金を手に入れます。そして労働者はそのお金で商品を買い生活をします。なので資本家は基本的にはギリギリ生活できる程度のお金しか労働者には払いません。

あたりまえですが、ひと月に10年分の給料を支払らえば誰も働かなくなります。明日も明後日もいくらしんどくても寝不足でも生活のために働かないと生きていけないので会社に出かけます。

労働者は働く会社の商品を売って給料をもらっているという感覚ですが、実際には資本家に労働力を売って労働者は生活に必要なお金を得えています。

つまり、労働者の商品とは労働力ということです。そして、資本家は労働者から労働力を買うことで資本を増大します。これが資本主義の最も基本的な原理原則です。

資本家はなぜ資本を増大させることが出来るのか

なぜ労働力を買うことで資本を増大することになるのでしょう?

このことを理解することで買い手側ではなく売り手側の考えを理解することができます。商売は、お客さんの気持ちになり購買欲を高めることが重要ですが、そもそもなぜ売り手として仕掛けることが富を得ることに繋がるのかを理解する必要もあります。

ほとんどの人は本当の資本家に会ったことはありません。そして本当の資本家になることは不可能と言えます。ただ、資本家にはなれなくても、脳を資本家に近づけることはできます。これは、商売をするにあたって非常に重要な基礎知識となります。

資本が増大する理由

では、なぜ資本が増大するのかを考えていきましょう。

まず、商売とは字のごとく「商品」を「売る」ことです。そして商品にはそれぞれ価格があります。その価格とは何か?

例えば、1000円の価値は人それぞれ違いますが、

  • 安いTシャツが1枚くらいだろう。
  • ワンコイン弁当(500円)が2つくらいだろう。

ということは、

  • Tシャツ1枚=ワンコイン弁当2個

という公式が出来上がります。当然、人それぞれ価値観は違いますが、社会全体の価値観としては現在のデフレ経済下ではこんな感じでしょう。

ではなぜTシャツや弁当はこの価格となったのか?需要と供給などもありますが、基本的に商品価格は労働者の労働力の値段で決まります。

つまり、価格=労働単価ともいえます。従ってTシャツ1枚とワンコイン弁当2個は同じ労働力がつぎ込まれたこととなります。

商品の交換に使われていたお金を、お金自体を手に入れたいという者が現れます。その者はお金を手に入れるために商品を介するという発想になります。お金で商品を買い、商品を介しお金を得るということです。この様に表記します。

ただ、それだけではお金自体の価値は同じなので儲かりません。この商品価格には労働単価に加えて搾取利益が含まれることで初めて使用者の儲けが発生します。

搾取利益とは、商品価格-労働単価から残ったお金で雇用主が搾取するお金のことです(実際には労働単価以外の経費もある)。

そのため、雇用主が時給1000円を労働者に支払い、300円を搾取利益として得るとします。労働者は8時間働き8000円を得ます。雇用主は寝ていても2400円入ります。雇用主は労働者を10人働かせることで24000円を得ることとなります。

このように労働力を売ることで得る賃金には限界がありますが、労働力を買うことで得る資本には限界がありません。このことが資本家が資本を増大させることの出来る理由です。

正に金が金を生むという状況が生まれる状況で、この様に表記します。

商売人とは売る側の人間

資本家には成れませんが、商売をするということは商品を売る側の人間になるということです。当然、リスクもありますが労働者とは比べ物にならない程に富を生む可能性があります。

私は「労働者をこき使うことで莫大な富を得よう」と言っているわけではありません。むしろそのような方法で利益を生むのは限界にきていると思っています。最初は奴隷労働から始まり、

  1. 産業革命
  2. 大量消費、大量生産型の社会
  3. IT革命

など、資本家の姿も商売の形も凄まじいスピードで大きく変化してきました。一昔前でいえば大型工場や大型組織を築き上げ、維持し続けたものだけが富を得ていました。

しかし、今はどうでしょうか?小さな商店であってもWEBを活用してその地域で最も知られる商店になることもできます。しかもほとんど費用をかけずに大型店よりも高いパフォーマンスの公告を出すことも可能です。一昔前はコールセンターや問い合わせ対応だけで10人ほど必要であった作業が、自動受付や自動返信などのシステムで1人対応で済んでしまいます。しかもそのほとんどが無料で実現できてしまいます。

多くの人材を抱える大企業はこの変化に柔軟に対応できるでしょうか?むしろテクノロジーの発展は、活用方法次第で小規模事業者が大企業よりもはるかに高い成果を上げることも可能とします。

だから商売は楽しい。だから商売はワクワクする。だから商売には無限の可能性がある。しかも現代はほとんどお金をかけること無く始められる商売も多くあるのが何よりも凄いことです。

しかも、このようにお金をかけずに始めることのできる商売の方が、成功すれば大きな利益をもたらすからこれまた凄いのです。資本家とまではいきませんが、アイディア次第で10人分の労働単価を1人占めできる可能性のある時代なのです。

まとめ

本記事では基本中の基本である「お金とは何か」ということを簡単に説明しました。本来であれば第二次世界大戦後のドル基準通貨のことや、貨幣の流通量などにも詳しく触れなければならなりませんが、この辺りのマクロ経済に関しては大幅に割愛させていただきました。

本記事で商品とお金、労働力の関係が分かっていただけたと思います。次回からは直接商売に役立つテクニックの話に移りたいですが、実はまだはやい。

次回は、商品には「使用価値」と「交換価値」があることを解説していきたいと思います。「早く商売のテクニックを教えろ!」という気持ちは分かりますが、急がばまわれ。商売は基本を知ることで成功する可能性が格段に高まります。一見地味に思えますが、スポーツと同じで基本がしっかりしていなければ結局は中途半端なままです。

商売で成功するには、基本知識を付けることに8割、実行することに2割くらいのエネルギーを費やすべきです。行動力があることは素晴らしいことですが、今は知識を付けることで経営は科学的に成功させることが出来ます。

よほどの商才をもった天才でない限りはしっかりと基本を学ぶことが成功への最も近道であることは間違いありません。

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