小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方②-仕事人

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前回は、補助金の採択に必要な計画書に絞って必要なポイントと、例として示す小規模事業者持続化補助金の、経営計画書(様式2)・補助事業計画書(様式3)に審査項目のどの部分を書くかという基本的な部分を説明した。

そこで今回は、経営計画書(様式2)を実際にどのように書いていくのかを計画書そのものを使って説明していきたい。

小規模事業者持続化補助金の計画書を作成するにあたってのポイントは、

  1. ストーリー性
  2. 一貫性
  3. 革新性

を心掛けて、実際に作成を進めていこう。

 

👉 最初から読む場合

 

企業概要 経営計画書(様式2)

この部分は、あまり審査対象の項目ではないが、表紙ともいえる部分なので手抜きなんかしたら即死。と思って作成した方がよさそうだ。

ストーリーの始まりでもあり、「掴み」でもある。計画書全体に繋がる部分なのでコンパクトに重要な要素をねじ込む。

と言うことで、「1.企業概要」で記載するポイントを以下に示す。

  1. 補助事業での目的を匂わす内容に。
  2. 審査項目に関連付けた内容を記入する。
  3. 自社の状況が分かる内容を記入。

漠然とした内容で良いので審査項目に関連付け、この1枚でなんとなく全体像が理解できるように仕上げる。

実際のフレームは以下を参考に

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顧客ニーズと市場の動向 経営計画書(様式2)

顧客・市場ニーズ・動向

公的なデータを用いて説明する。対象地域や市場に対するマクロ的な分析から、市場規模や潜在的ニーズが存在することを示す。

また、顧客・市場ニーズに関連付けマクロ的な動向を説明。補助事業では販路拡大にてこの部分をターゲットとするので、チャンスがあることが理解されるように。

難しい方は、チャンスがあることを前提として、結論が先でそのことを示すデータを後から探す方法が良い。

 

自身の事業の状況

ここからミクロ的な話になる。

ここで実際に自身が感じるミクロ的な経営状況などを示していく。

顧客・市場ニーズ・動向と関連付けることも必要だが、普段感じていることや環境の変化などを率直に伝えることが必要。

 

最近の動向

自社を取り巻く状況の結論やまとめとして仕上げる。補助事業が必要なことをしっかり関連付ける。

 

競合の状況

最後に競合の状況を簡単に示す。比較対象として自身に近い零細事業者と、大手・量販店の2つを示すことをお勧めする。

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自社や自社の提供する商品・サービスの強み 経営計画書(様式2)

ここではSWOT分析を活用して、理解しやすく読みやすくまとめる。SWOT分析の基本の強み・弱み・脅威・機会だけでなく、

少し工夫し、「これまでの取り組み」を示すことで今までの経営努力を示すことができる。

最後に補助事業に関連する自社の強みに絞り示す。

そのことで、補助事業により更なる他社との差別化・販路拡大に繋がることが関連付けられる。

 

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経営方針・目標と今後のプラン 経営計画書(様式2)

このページの役割は、ここまで記入した経営計画書の分析により、次の補助事業計画書(様式3)に繋げることだ。

ここでは3C分析という分析方法を用いて、顧客・競合の状況から「事業に勝つための要件」を導き出す。

そしてこの「事業に勝つための要件」こそが補助事業計画書(様式3)に記入していく核心的な部分となる。

 

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経営計画書のまとめ

今回の経営計画書(様式2)の説明では、各項目を1ページでまとめることが出来るように示している。

あくまで今回示したフォーマットは、商工会議所の申請様式であるA4の申請書1ページで納めるため、このような形になっている。

勿論、提出者のみなさんがブラッシュアップし、より良い計画書のフォーマットで自由に申請していただければ良い。

また、1ページでまとめることが難しい市場分析などのページは、補足資料という形で示すことが良いと考える。

 

次回は補助事業計画書(様式3)の説明を行っていく

 

👉 つづきはこちらから

 

小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方①-仕事人

小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方②-仕事人

小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方③-仕事人

 

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    小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方①-仕事人

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    私は専門家に依頼したことがないので、コンサルタント料がどの程度かは知らないが、もったいないと思うので、計画書は自分で作成することをおすすめしている。

    今回は自分で計画書を書きあげられるよう小規模事業者持続化補助金を例に、3回に分けて、計画書の基本な書き方を提供していきたい。

     

    最終回の最後では、私が実際に小規模事業者持続化補助金で採択された計画書(共同で提出・250万円獲得)の原本そのものを提供するので、参考にしていただきたい。

     

     

    小規模事業者持続化補助金・ものづくり補助金・創業補助金

    応募者数が多くなったことや、専門家への依頼が増えたことで、以前に比べると補助金獲得の競争が激しくなり採択率は下がっているようだ。

    しかし、どの補助金にも共通する計画書の基本は、

    1. 経営・業界・市場・顧客・競合・情勢などの状況分析
    2. 分析から、成果を得るための戦略を計画立案

    から構成される。勿論、採択されれば次は計画の実行となる。

    計画書に必要な部分は①と②のみだが、分析や戦略と聞くと何やら難しそうに感じる。

    補助金で採択される計画書

    確かに本来、この部分はとてつもなく難しく大変な労力を費やす。

    しかし、認定や賞の獲得が目的ではない。補助金の計画書に限って言えば、『採択される計画書』を作成することが目的だ。

    そのために必要なことは、

    1. 必要なポイントを絞り、簡単に端的にまとめる。
    2. フォントの大きさや、枠で囲む・図・写真など視覚的にも読みやすくまとめる。
    3. 審査の加点対象項目など、重要箇所は目立つように示す。

    私が特に重要と考えているのは「読みやすさ」だ。「読みやすさ」とは審査員にとって読みやすいという意味だ。

    審査員は有識者と呼ばれる人たちであろう。その人たちの評価を得る計画書を作成していこう。

     

    まず初回は、絶対に理解しておかないといけないポイントをザックリ整理していく。

    すでにこの辺りは理解されている方は読み流し、次回の“実際に計画書を書いていく”から読んで頂いて大丈夫だ。

     

    平成29年度補正予算 小規模事業者持続化補助金

    平成28年度第2次補正予算 小規模事業者持続化補助金の募集が始まっている。

    (募集期間)

    受付開始: 平成29年3月 9日(金)

    受付締切: 平成29年 5月18日(金)[締切日当日消印有効]

     

     

    小規模事業者持続化補助金の加点項目

    はじめに、小規模事業者持続化補助金の要綱によると、加点による審査方式だ。

    要するに各項目が何点かは知らないが、各項目の合計点が満点に近い順に採択されるということだ。

    この補助金の計画書には審査に関係のないことをいくら書いても意味がない。書くだけ無駄だ。

    審査対象の項目は以下の項目となっている。

     

    ①自社の製品・サービスの

    • 強みを把握し、経営状況を適切に分析できているか。

    ②経営方針・目標と今後のプランは、

    • 強みを踏まえているか
    • 対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか

    ③補助事業計画は具体的で

    • 実現可能性が高いか
    • 経営計画の今後の方針・目標を 達成するために必要かつ有効なものか
    • 自社ならではの創意工夫の特徴があるか
    • ITを有効に活用する取り組みが見られるか

    ④積算の透明・適切性

    • 事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか

     

    では、次に上記の各項目は経営計画書(様式2)と補助事業計画書(様式3)の主にどの部分に記入していくのかを示めす。

     

     

    経営計画書(様式2)・補助事業計画書(様式3)の大まかな構成を理解する

    <strong>ステップ①: 大まかに審査項目を分ける</strong>

    • ①自社の製品・サービス②経営方針・目標と今後のプラン経営計画書(様式2)
    • ③補助事業計画は具体的④積算の透明・適切性補助事業計画書(様式3)

     

    そのことを踏まえて計画書を作成するにあたっては、

     

    1. ストーリー性
    2. 一貫性
    3. 革新性

     

    を心掛けて作成する。

     

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    経営計画書(様式2を説明

    <strong>ステップ②: 計画書と加点項目の関係を知る</strong>

     

    計画書はストーリーとして描くことが重要と言われる。

    例えとして、桃太郎の話

    経営計画書(様式2)の各構成と審査項目の関連を説明する。

     

    1.企業概要:経営計画書(様式2)

    「私の名前は桃太郎」

    昔々、おじいさんは山へ芝刈りに。

    おばあさんが川へ洗濯に行くと、

    川から「どんぶらこどんぶらこ」と

    流れてきた桃から生まれた。

    桃太郎は強く大きな子どもに育った。

     

    加点項目で言うと①自社の製品・サービス

    • 強みを把握し、経営状況を適切に分析できているか。

     

     

    2.顧客ニーズと市場の動向:経営計画書(様式2)

    桃太郎は、

    ながく外国に居て帰ってきた人から

    不思議な話を聞いた。

    1. 遠い海の向こうに鬼ヶ島という島があり、鬼が住んでいること。
    2. 鬼たちは悪い鬼で、いろいろな国の人から宝物をかすめ取っていること。
    3. 鬼ヶ島には鬼たちがかすめ取った宝物がたくさんあること。

    3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み:経営計画書(様式2)

    桃太郎は普通の子どもに比べ、

    体もずっと大きく、力が強く、

    かなうものは一人もいないくらいだった。

    そのうえ、優しい子どもだった。

    十五歳になった桃太郎は、

    日本の国中で桃太郎ほど強い

    ものはいない程になっていた。

     

    加点項目で言うと②経営方針・目標と今後のプランは、

    • 強みを踏まえているか
    • 対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか

     

    4.経営方針・目標と今後のプラン:経営計画書(様式2)

    強くなった桃太郎は考えた。

    1. 外国へ出かけ、腕いっぱい力試しをしてみたい。
    2. 鬼を成敗して、鬼たちに苦しめられている人たちを助けたい。
    3. 鬼ヶ島の宝を手にいれたらお金持ちになれる。

     

    そこで桃太郎は、

    おじいさんとおばあさんにお願いした。

    「鬼ヶ島に行き、鬼たちを成敗したい」と。

     

    加点項目で言うと、

    ①自社の製品・サービス②経営方針・目標と今後のプラン

    を踏まえ、③補助事業計画は具体的でに繋がる。

     

     

    06

     

     

    補助事業計画書(様式3を説明

    桃太郎の例え話の続きで、補助事業計画書(様式3)での各構成と審査項目の関連を説明する。

    1.補助事業で行う事業名:補助事業計画書(様式3)

    桃太郎が鬼ヶ島で鬼たちを成敗する」

     

    2.販路開拓等の取組内容:補助事業計画書(様式3)

    (いつ)補助事業で、(だれが)桃太郎が、

    「どこで・誰に・何を・どのように」ということを桃太郎の話で説明。

     

    <どこで>

    鬼ヶ島で

    <誰に>

    悪い鬼たちに

    <何を>

    成敗を下す

    <どのように>

    陣羽織を着て、

    腰に刀、

    日本一のきび団子を持って。

    いぬ・さる・きじ、の家来と共に。

     

    加点項目で言うと③補助事業計画は具体的

    • 実現可能性が高いか
    • 経営計画の今後の方針・目標を 達成するために必要かつ有効なものか
    • 自社ならではの創意工夫の特徴があるか
    • ITを有効に活用する取り組みが見られるか

     

    3.補助事業の効果:補助事業計画書(様式3)

    桃太郎は

    鬼ヶ島で鬼たちを成敗することで、

    立派な3人の家来に、宝物を引かせて帰る。

    そのことで

    1. 外国へ出かけ、腕いっぱい力を試すことができた。
    2. 鬼を成敗して、鬼たちに苦しめられている人たちを助けた。
    3. 鬼ヶ島の宝を手にいれたらお金持ちになった。

    の目標を達成する。

    そのことで、

    1. 桃太郎は力を試せて、より強くなって3人の立派な家来とともに帰ってきた。
    2. 鬼に苦しめられていた人たちは救われ、平和になった。
    3. 宝物でおじいさん、おばあさんも豊かに暮らすことができた。

     

    という成果を得ることができる。

     

    加点項目で言うと③補助事業計画は具体的

    • 実現可能性が高いか
    • 経営計画の今後の方針・目標を 達成するために必要かつ有効なものか
    • 自社ならではの創意工夫の特徴があるか
    • ITを有効に活用する取り組みが見られるか

    4.経費明細表:補助事業計画書(様式3)

    ここでは、補助事業の対象経費で必要な経費となっているかを間違いが無いように示す。

     

    加点項目で言うと④積算の透明・適切性 

    • 事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか

     

     

    小規模事業者持続化補助金の計画書を実際に書き始める。

    <strong>ステップ③: フレームをつくる</strong>

    ここまでで、経営計画書(様式2)と補助事業計画書(様式3)を、どの審査項目に照らし合わせて書いたら良いかをザックリ理解していただけたと思う。

    次回からは、実際に計画書を書くための具体的な内容に入っていく。

    そのため、実際に計画書を書き始めるにあたり、少し専門的に言うと

     

    ①経営計画書(様式2)では、自己分析を行い、補助事業に繋がる目的を明らかにする。

    むやみやたらに書き始めても迷走することは間違いない。

    経営計画書(様式2)ではSWOT分析と3C分析という基本的な分析方法を用いてフレームをつくっていく。

    非常に簡単なので、次回からのフォーマットに従って書いていけば理解できると思う。

    ただ、全く知らない方は一応、Google先生で調べていただきたい。

     

    ②補助事業計画書(様式3)では、経営計画書(様式2)をもとに、補助事業で行うプランニングと成果予測を行う。

    ここでも基本的な5W2H という手法を基にフレームをつくっていく。

    SWOT分析と3C分析と同様、全く知らない方は一応、Google先生で調べていただきたい。

     

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    初回は以上で終わり。

    初回なので基本的なことを中心に、どのように書き進めるのかをお伝えしたが、次回からは実際の計画書を基にイメージしやすい形でお伝えしたい。

     

    👉 つづきはこちらから

     

    小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方①-仕事人

    小規模事業者持続化補助金で採択率の高い計画書の書き方②-仕事人

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