前回は、補助金の採択に必要な計画書に絞って必要なポイントと、例として示す小規模事業者持続化補助金の、経営計画書(様式2)・補助事業計画書(様式3)に審査項目のどの部分を書くかという基本的な部分を説明した。
そこで今回は、経営計画書(様式2)を実際にどのように書いていくのかを計画書そのものを使って説明していきたい。
小規模事業者持続化補助金の計画書を作成するにあたってのポイントは、
- ストーリー性
- 一貫性
- 革新性
を心掛けて、実際に作成を進めていこう。
企業概要 経営計画書(様式2)
この部分は、あまり審査対象の項目ではないが、表紙ともいえる部分なので手抜きなんかしたら即死。と思って作成した方がよさそうだ。
ストーリーの始まりでもあり、「掴み」でもある。計画書全体に繋がる部分なのでコンパクトに重要な要素をねじ込む。
と言うことで、「1.企業概要」で記載するポイントを以下に示す。
- 補助事業での目的を匂わす内容に。
- 審査項目に関連付けた内容を記入する。
- 自社の状況が分かる内容を記入。
漠然とした内容で良いので審査項目に関連付け、この1枚でなんとなく全体像が理解できるように仕上げる。
実際のフレームは以下を参考に
顧客ニーズと市場の動向 経営計画書(様式2)
顧客・市場ニーズ・動向
公的なデータを用いて説明する。対象地域や市場に対するマクロ的な分析から、市場規模や潜在的ニーズが存在することを示す。
また、顧客・市場ニーズに関連付けマクロ的な動向を説明。補助事業では販路拡大にてこの部分をターゲットとするので、チャンスがあることが理解されるように。
難しい方は、チャンスがあることを前提として、結論が先でそのことを示すデータを後から探す方法が良い。
自身の事業の状況
ここからミクロ的な話になる。
ここで実際に自身が感じるミクロ的な経営状況などを示していく。
顧客・市場ニーズ・動向と関連付けることも必要だが、普段感じていることや環境の変化などを率直に伝えることが必要。
最近の動向
自社を取り巻く状況の結論やまとめとして仕上げる。補助事業が必要なことをしっかり関連付ける。
競合の状況
最後に競合の状況を簡単に示す。比較対象として自身に近い零細事業者と、大手・量販店の2つを示すことをお勧めする。
自社や自社の提供する商品・サービスの強み 経営計画書(様式2)
ここではSWOT分析を活用して、理解しやすく読みやすくまとめる。SWOT分析の基本の強み・弱み・脅威・機会だけでなく、
少し工夫し、「これまでの取り組み」を示すことで今までの経営努力を示すことができる。
最後に補助事業に関連する自社の強みに絞り示す。
そのことで、補助事業により更なる他社との差別化・販路拡大に繋がることが関連付けられる。
経営方針・目標と今後のプラン 経営計画書(様式2)
このページの役割は、ここまで記入した経営計画書の分析により、次の補助事業計画書(様式3)に繋げることだ。
ここでは3C分析という分析方法を用いて、顧客・競合の状況から「事業に勝つための要件」を導き出す。
そしてこの「事業に勝つための要件」こそが補助事業計画書(様式3)に記入していく核心的な部分となる。
経営計画書のまとめ
今回の経営計画書(様式2)の説明では、各項目を1ページでまとめることが出来るように示している。
あくまで今回示したフォーマットは、商工会議所の申請様式であるA4の申請書1ページで納めるため、このような形になっている。
勿論、提出者のみなさんがブラッシュアップし、より良い計画書のフォーマットで自由に申請していただければ良い。
また、1ページでまとめることが難しい市場分析などのページは、補足資料という形で示すことが良いと考える。
次回は補助事業計画書(様式3)の説明を行っていく
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