年金事務所からの先日付小切手の振出は「拒否」
社会保険料の延滞金に対して島田年金事務所から「先日付小切手」の振り出しを強要された静岡県藤枝市のマジメさん(仮名)=土木=は仕事人グループ(仮名)のメンバーと一緒に抗議し、6月20日、「先日付小切手」を取り戻した。
「納付が困難と相談しても、何のアドバイスもなく、いくら払えるのかと言うばかり。年金事務所はもっと親身に相談に乗ってほしい」と話している。
社会保険料が滞納
マジメさんは20年ほど前から売り上げが減少し、期日通りに社会保険料が払えなくなった。
滞納額は一時、延滞金を含めて500万円を超えていたが、分納を続けて3年前に保険料を完納した。
年金事務所が「先日付小切手」の振出を強要
その後、年金事務所は130万円の延滞金の納付を迫り、5月中旬、一人で納付相談に行ったマジメさんに対して、6月から8月まで15万円ずつの「先日付小切手」を振り出させた。
マジメさんは仕事人グループ(仮名)に相談し、6月中旬、仕事人グループのメンバーと一緒に島田年金事務所へ出向き、帳簿書類の写しを提出して納付が困難であることを改めて説明。
担当者は「一人では判断できない。検討して後日、連絡する」と答えた。
年金事務所から電話
翌日、島田年金事務所の担当者から電話があったが、提出した書類に対する質問や内容確認は一切なく、いきなり「いくら払えますか?」と迫った。
「納付が困難と説明したのに、昨日の相談は何だったのか。本当に書類は見てくれたのか」とマジメさんは怒りが湧いた。
年金事務所に先日付小切手を強制的に振り出させない
6月中旬、島田年金事務所を再度訪問。マジメさんが知らないことに付け込んで「先日付小切手」をいかにも自発的に振り出したかのように仕向けていたことが分かり、国税庁が「先日付小切手を強制的に振り出させない」(2005年5月17日衆議院財務金融委員会)と答弁していることを示して強く抗議した。
年金事務所が「先日付小切手」を返還
ところが、担当者は何の反省も無く「うちはうちで回収します」と平然と答えたため、マジメさんと仕事人グループのメンバーは再度、抗議。
国税徴収法に準じて対応することや、公的機関・立場にある自覚・認識を持つこと(日本年金機構ホームページ)、お客様の立場に立ち誠意ある対応を約束した10箇条に基づくことを求めた。
年金事務所は6月分の「先日付小切手」を返還した。
マジメさんは引き続き、7月、8月分の「先日付小切手」の返還とともに「滞納処分の執行停止」を求めることにしている。
(参考:全国商工新聞から)
最後の切り札「滞納処分の停止」
「滞納処分の停止」の要件
- 1号要件:滞納処分を執行することができる財産がないとき(個人・法人)
- 2号要件:滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させる恐れがあるとき
- 3号要件:滞納者の所在及び滞納処分を執行することができる財産がともに不明であるとき
「滞納処分の停止」の要件が認められると
「滞納処分の停止」が認められれば、納税義務そのものが消滅する。(3年後、又は即時)
また、2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。
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