医療費を免除
北海道札幌市でラーメン専門店を営むマジメさん(仮名)は先ごろ、札幌市国民健康保険(国保)に一部負担金減免および徴収猶予実施要項(実施要項)に基づき、医療費本人負担分約9万円の免除が実現した。
病気で入院・手術
マジメさん一家に不運が訪れたには、昨年7月中旬。妻・ヨイ子さん(仮名)、娘・ヨシ子さん(仮名)が体調不良で病院を受診すると、思わぬ大病で二人とも即入院し、手術が必要との診断結果だった。
医療費の減免申請を
マジメさんは「ただでさえ厳しい経営状況なのに、働き手がいなくなり、休業するしかない」と仕事人グループ(仮名)に相談。商売や生活、医療費の見通しなどを検討し、医療費本人負担の減免申請を行うことを決めた。
実施要項の「事業又は業務の休廃止等により、対象期間の平均収入認定額の見込みが、その事実の発生の直前3カ月間の平均収入認定額と比較して20パーセント以上減少する見込みであるとき」(第3条2項3)に該当すると判断したからだ。
脳梗塞で自身も
しかし、経理関係は妻と娘さんが担っていたため、当初は伝票の所在も分からない状態。申請書類を仕上げられず、二人の病院に通う中で、マジメさん自身も8月下旬に脳梗塞を患い、救急車で搬送されてしまった。
その後、退院した妻と娘さんが申請書を提出。11月4日に、札幌市白石区役所国保課から免除の連絡があった。金額は妻と娘の7~8月の入院・通院費用本人負担分=約9万円であった。
制度の改正
市の一部負担金減免制度の年間承認件数は、40件程度(12年度)。同制度は13年に改正され、
- 国保料完納が要件に
- 預貯金保有を原則否定
- 不動産・保険等の資産があれば不該当
- 収入認定機関を前年年収から直前3カ月に限定
- 申請から決定までの期間を明治ぜず
と、承認のハードルがさらに高くなっていた。
マジメさんは今も入院を余儀なくされ、いったん廃業し生活保護を受給することに。「家族の命と暮らしが何よりも優先する」と仕事人グループのメンバーも交えて見出した道を歩んでいる。
マジメさん一家は「仕事人グループとつながりがあって本当に助かった。皆さんが何くれとなく気にかけ、声をかけてくれて感謝しています」と喜んでいる。
(参考:全国商工新聞から)
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