広島県三次市のヨイ子さん(仮名)=IT関連=は3月16日、県税事務所が強行した自動車と預金の差し押さえを解除させ、延滞金43万円の執行停止が認められた。
また、本税についても換価の猶予での分納を認めさせた。「仕事人グループ(仮名)のメンバーがいてくれて本当に助かった」と笑顔で話している。
預金を差し押さえ
ヨイ子さんは昨年6月、税務署から「滞納処分の執行停止」を仕事人グループ(仮名)のメンバーと一緒にかちとり、7月に県税事務所に執行停止の請願を提出していた。
ところが県税事務所は請願書に回答せず、事前連絡なしに3月13日、約50万円の生活預金を差し押さえた。
車も差押え
ヨイ子さんは翌日、「県税事務所は車を差押えしているが、今回、生活預金を差し押さえられた」と仕事人グループのメンバーに相談。
仕事人グループではその後、対策会議を開き、参加者は「生活の実態を聞かず、いきなり処分を行うなんて許せない」と怒りの声を上げ、ヨイ子さんと一緒に県税事務所と交渉することにした。
差し押さえ解除を求め交渉
16日の交渉にはヨイ子さんら6人が参加。県税事務所からは職員2人が対応した。
ヨイ子さんは処分の理由について説明を求め、「差し押さえられた預金は生活に必要なお金。返してもらわないと商売も生活もできない」と訴え、
参加者も「生活実態を調べもせずにいきなり処分を行うとはどういうことか」と抗議した。
「納税の猶予等の取扱要領」を示す
「差し押さえ処分を解除するには相当の理由がいる」と答える県税事務所に対し、参加者からは「納税の猶予等の取扱要領」を示し、
「納税者から相談があった場合には、状況を十分に把握するよう書いてある。それをせずにいきなり差し押さえ処分を行っていること自体が間違い」
「税務署は国税徴収法に基づいて滞納処分の執行停止を行っている。県税も国税徴収法に基づいて執行停止を認めるべきだ」と主張。
差し押さえを解除・返金
約2年間の交渉の末、県税事務所は行き過ぎた差押え処分を認め、
- 差し押さえた預金のうち2万6000円は滞納税金に充て残りは返し、車の差し押さえは解除する
- 延滞金約43万円は執行停止にする
- 残る本税に関しては換価の猶予を使って2年間で納めてほしい
と回答した。
ヨイ子さんは参加者と話し合い納得して交渉を終えた。参加者からは「そもそも差押え処分自体が間違っている。換価の猶予は認められたが、引き続き執行停止を求めていこう」とヨイ子さんを励ました。
(参考:全国商工新聞から)
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