社保料700万円滞納で年金事務所が介護報酬を差押え!解除方法

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延滞金を含め700万円の社会保険料の滞納を理由に介護報酬が差押えられ、銀行口座が凍結を受けていた福島県いわき市のマジメさん(仮名)=介護事業所=。

インターネットで仕事人グループ(仮名)のホームページを見つけ相談。仕事人グループのメンバーとともに平年金事務所と交渉し、5月25日、介護報酬の差押えが解除になり、年金事務所長の職権による「換価の猶予」が認められた。

この事例での解除のポイント
  • 介護報酬の差押えの問題点
  • 職権型「換価の猶予」という法的猶予の活用
  • しっかりとした交渉

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介護事業所の介護報酬の差押えが増加

「介護報酬が差押えられ収入が途絶え、原発事故による東電からの賠償金も底をつき、従業員に給与が払えなくなった。廃業を考え、死んだ方が楽になるかもしれないと何度、頭をよぎったことか・・・。仕事人グループに出会えてなかったら解決はできなかった。同じように苦しんでいる人たちの力になりたい」。

困難を乗り越えたマジメさんは思いを口にした。

年金事務所が月額90万円を差押え

平年金事務所の差押えは2015年12月から1年半に及び、その間、月額約90万円の介護報酬が断ち切られた。

許せなかったのは差押えが強行される直前、お金をかき集めて15万円程を納付したとき、職員が「はした金はいらない。差押えすれば簡単なんだ」と暴言を吐いたことだ。

はらわたが煮えくり返る思いだった。

介護報酬の差押えは問題

従業員のヨイ子さん(仮名)が仕事人グループのホームページを見つけ、マジメさんは1月19日、相談した。

介護報酬が差押えられていることを話したところ「それは、おかしい」と言われ、その言葉にマジメさんは救われた。

租税債権より労働債権は先取特権がある

この間、マジメさんは仕事人グループのメンバーや倉林明子参議院議員(共産)の力も借りて年金事務所と交渉。

「介護報酬は人件費が含まれているので、その分は差押えを解除してほしい」と訴えたが、職員は「差し押さえしているのは介護報酬であって給与ではない」との姿勢を崩さなかった。

これにはyさんヨイ子も激怒。「私は一人で中学1年生の子どもを育てている。給与の遅配・欠配が続いたら生活が成り立たない」とマジメさんと一緒に立ち上がった。

差押え解除を求める

「事業所を辞めて失業保険をもらった方が楽かもしれないけど、原発事故で自宅待機になった時にもマジメさんが給与を支給してくれた。だからどうしても差押えを解除させて事業を継続してほしかった」とヨイ子さん。

年金事務所との交渉にも参加し、「従業員の給与が介護報酬に含まれているかどうか調べてほしい」と食い下がったが、職員は「完全には調べられない」と不誠実な態度をとった。

厚生労働省が電話でアドバイス

切羽詰まったヨイ子さんは厚生労働省に電話をかけて「このままでは生きていけない」と訴え。後日、マジメさんは厚労省担当者から「労働契約をコピーして、売上は手書きでいいから集計するように」などと交渉について具体的なアドバイスを受けた。

年金事務所が介護報酬差押えの違法性を認める

しかし、年金事務所は「差し押さえているのは給与ではない」との認識を改めなかった。

腹に据えかねたマジメさんは再度、「介護事業しかやっていない介護事業所が従業員の給与を支払うのは介護報酬以外に何があるのか」と抗議すると「借入と資産売却」とあぜんとするような回答が。

「口座が凍結された、借入ができると思うのか。売却できる資産がどこにあるのか」とさらに詰め寄ると職員はようやく「資産は無い、借入もできない。一般的に人件費は介護報酬に含まれる」と認めた。

職権型「換価の猶予」が認められる

粘り強い交渉の結果、介護報酬の差押えは解除されるとともに5月24日から1年間、社会保険料を7回で分納することになり、「これでやっと従業員に給与を払うことができる」と笑顔を取り戻した。

介護事業所の厳しい経営状況

マジメさんは2004年7月、高齢者や障害者を支援する介護事業所を立上げ、訪問介護や介護用品の販売、介護タクシーなどの事業を展開し、利用者を増やしてきた。

しかし、震災後、従業員や利用者が減少。資金が回らなくなり、期日通りに社会保険料を納付することが困難になっていた。

粘り強い交渉

この間、交渉に参加した仕事人グループのメンバーは「粘り強く交渉する中で職員の態度や誤りを改めさせることができた。マジメさん本人の頑張りがあったからこそ実現した。この成果を大いに知らせ、力にしたい」と話している。

参考:全国商工新聞から

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今回の解決事例のポイント

介護報酬が差押えられるケースが多くなる中で、本記事のケースの様に年金事務所からの差押えに苦しんでいる介護事業者は非常に多いのではないか?

従業員や利用者のためにも正しい知識を付け、一人で悩まないでほしい。

①介護報酬

最近、社会保険料が滞納となっている介護事業所に対し介護報酬を年金事務所が差押える事例が増加している。

そもそも低く設定されている介護報酬の評価そのものが問題なのだが、介護報酬の特徴はそのほとんどは給与の原資というところだ。

※国税徴収法第47条17(財産の選択)は、滞納者の申し出があるときは、差し押さえる財産は、第三者の権利を害することが少ない財産、滞納者の生活の維持または事業の継続に与える支障が少ない財産であることなどを定めている。

従業員の給与の差押えに関しての詳しい事例はこちら👉社会保険料2300万円未納で600万円差押え!解除方法は

②職権型「換価の猶予」

職権型「換価の猶予」(国税徴収法151条)とは、法的猶予による分納だ。単なる口約束の分納とは全く違う。

また、基本的には既に介護報酬が差押えられているこのような状況で、年金事務所が差し押さえを解除し「単なる口約束の分納」を認めることはあり得ない。

法的に守られた法的猶予(納税緩和処置)による「差押え解除」・「分納」・また、延滞税も9.0%から1.7%となり大幅に軽減される。

納税緩和処置の適用要件などはこちらを参考に👉滞納の住民税・市民税・固定資産税!差押えを回避する方法は

③しっかりとした交渉

私たちに相談をいただく方や、マニュアルを購入いただいた方の中にも多いが、いくら正しい権利を主張しても1回や2回の交渉でスムーズに解除に至るケースは少ない。

正しい知識を得て、しっかりとした交渉ができるようになることは基本中の基本だが、そこに加えて交渉が長引いた場合でも、粘り強く交渉し続ける意思も必要だ。

差押えは「人任せ」で解除できるほど甘いものではないと考えていただきたい。差し押さえた側(役所)も、滞納者本人にどれだけ強い意志があるかで対応は変えざるを得ないためだ。

換価の猶予

換価の猶予とは、納付の誠意が認められる滞納者が

  1. 滞納処分で財産を換価することによって、事業の継続や生活の維持を困難にするおそれがあるとき
  2. その財産を換価するよりも猶予する方が徴収上有利であるとき

のいずれかに該当すると認められる時、1年に限り(延長制度あり、最長2年)その財産の換価処分(公売)を猶予することができる分納制度だ。

認められれば差押えが猶予または解除され、分納中の延滞金が減額される。

換価の猶予には「申請型」と「職権型」がある。「申請型」のみの要件などもあるので、要件などをチェックし、双方をうまく活用する必要がある。

「換価の猶予」が認められると、

  1. 猶予期間(最長2年)の延滞税が半分免除になる。
  2. 認められれば通常、延滞税は9.1%で計算されるが、年率1.8%で計算され、免除の範囲がいっそう拡大する。
  3. 更に、既に差押えられている財産は公売にかけられない。

特に2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。

今、制度を利用し財産を守ることで、事業・生活・家庭を守らない手はない。

あなたにとって最も有益な情報を

あなたが、お金は有るが税金は払いたくなく、滞納しているのであれば「払えよ」としか言いようがない。

あなたが、払いたくても払えない人であれば、あなたの状況を好転するための最も有益で価値のある情報を提供することを約束する。

すべての問題の解決には、

  1. 基本である制度を知る
  2. 参考となる実例を基にシュミレーション
  3. 交渉を優位に進める

の3点を、三位一体で進めなければ解決には至らない。

解決事例から、あなたの状況を解決に導く実例を参考に、解決に繋げていただきたい。

制度の理解や、確実に成果を上げるための交渉・申請のポイントを、簡単に分かりやすくまとめたマニュアルも提供しているので確認していただきたい。

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