茨城県古川市のマジメさん(仮名)は2月14日、生活福祉資金157万円(生業費)の貸付を実現。「これで空調機の工事や冷蔵庫の交換ができます。商売を続けることで、地域への貢献もできると思います」と喜んでいる。
事業を継承
マジメさんは3年前、父・ヒトヨシさん(仮名)から事業を継承。母・ヨイ子さん(仮名)の病気が重くなり入院したことで、1級障害の心臓病があるヒトヨシさんが無理な仕事をできなくなったためだ。
滞納処分を受け借入ができず
昨年の異常な暑さで、老朽化した冷蔵庫と空調機の機能が低下。集客率が落ちて経営も厳しくなったことから設備資金の借り入れを検討した。
しかし、父親が事情により滞納処分を受け、長く店舗を差し押さえられていたことで、金融機関では借り入れができなかった。
生活福祉資金を活用することに
マジメさんは仕事人グループ(仮名)に相談。所得が少なく障害者の父もいること、喫茶店を続けることで生活を支えられることを踏まえ、生活福祉資金を活用することにした。
早速、古河市の社会福祉協議会に申し込んだが、差し押さえを理由に拒否された。父・ヒトヨシさんは昨年6月、古河税務署の滞納処分の執行停止を認めさせ、差し押さえを解除。地方税の滞納処分(差押え)についても解除をかちとっていたが、保証協会分が残っていました。
生活福祉資金157万円(生業費)の貸付
「商売を続けることで生活を守れる」とマジメさんは保証協会と話し合い、一時金(10万円)で処分緩和を実現。差し押さえをすべてなくしてくれた。
しかし社会福祉協議会の運営委員会の承認がなかなか受けられず、申請は保留に。この事態に、茨城県会議員に事情を伝え、福祉協議会担当者の職員、福祉指導課と懇談。
その結果、生活福祉資金157万円(生業費)の貸付を実現した。
(参考:全国商工新聞から)
滞納処分に関する考えや方法
国は自治体職員の乱暴な滞納処分に対し、滞納者に寄り添った対応を指導している。
●国税庁:H27年「納税の猶予等の取扱要領の制定について」(事務運営指針)で各自治体にその方針を指導している。
●総務省:自治体職員の乱暴な徴収行為に対し、「滞納者の実情を十分把握し、適切に執行するよう」指示した文書を自治体に初めて送付した。
●国会答弁:国会でも取り上げられている 👉参議院財政金融委員会で滞納整理が問題に
2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。
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