国民健康保険を滞納すると20日後に督促状が送付されその後は

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国民健康保険を滞納すると

  1. 納付期限を過ぎて20日後に督促状が送付され「滞納者」となる
  2. 10日後には滞納処分(差し押さえ)が可能となる
  3. 納付期限が過ぎた1ヵ月まで年2.7%の延滞金が課せられる
  4. 1ヵ月が経過すると年9.0%の延滞金となる
  5. その後も国民健康保険を滞納を続けると「短期被保険者証」の交付
  6. 「被保険者資格証明書」の交付
  7. 保険給付(特別療養費、高額療養費、出産育児一時金、葬祭費など)の制限
  8. 差押予告・差押調書が届く
  9. 滞納処分(差し押さえ)が執行される
  10. 公売にて財産を売却され換価(現金化)し強制徴収される

※法律上は可能だが、さすがに10日後に即差押えられるということはまず無い

本記事のポイント

  • 減額免除制度で負担を軽減
  • 猶予制度で分納・延滞金を軽減
  • 保険証が取上げられたとき
  • 病院で窓口負担が払えないとき

国民健康保険の滞納①|高くて払えないとき

国民健康保険料が滞納となるのは「高くて払えない」からだ。「払いたくない」から払わないという訳ではない。

国民健康保険料が高くて払えない場合は滞納しないために「減額免除制度」という制度を活用する。

減額免除制度

減額免除制度には国と各自治体が定める2つがある。

  • ① 国が定める軽減制度(法定軽減)
  • ② 各自治体が定める申請減免制度

① 軽減制度(法定軽減)

軽減制度(法定軽減)とは、世帯全員の所得合計が、国が定める基準以下の世帯が対象となるり、保険料の均等割りと平等割が減額される。

減額は、7割減額、5割減額、2割減額、と区分に応じて行われる。

軽減制度(法軽減)の基準
軽減制度(法定軽減)の対象
世帯人数 7割軽減 5割軽減 2割軽減
1人 33万円

人数に関わりなく

61万円 84万円
2人 89万円 135万円
3人 117万円 186万円
+1人につき 28万円加算 51万円加算

申請減免制度

申請減免制度は各自治体が条例で定めている減免制度。減免基準は各自治体によって異なるので、居住地の自治体ホームページなどで確認していただきたい。

国民健康保険料の減免制度を受けるには、各自治体の国保課に出向き相談する必要がある。その時に払う意思を示し、払いたいけど払えない状況を伝えよう。

軽減制度(法定軽減)は確定申告を行っていれば申請する必要はない。

国民健康保険の滞納②|減免制度が認められなかったとき

国民健康保険の滞納を防ぐために減免制度を申請したが認められなかった場合は、「納税緩和処置制度」という猶予制度を活用する。

「納税緩和処置制度」は納税が困難なときに活用できる猶予制度だが、国民健康保険料にも活用できる。

■納税緩和処置制度は、

  1. 「納税の猶予」制度(国税通則法46条2項・地方税法15条1)
  2. 「換価の猶予」制度(国税徴収法151条1・国税徴収法151条2)
  3. 「滞納処分の執行停止」制度(国税徴収法153条・地方税法15条7)

の3つの制度で構成されている。

徴収猶予
  1. 「徴収猶予」が認められれば、1年以内の納税が猶予される。また、最大2年の延長もできる。
  2. この制度で「猶予」が認めると延滞税が減額・免除される。
  3. 「滞納」という扱いでは無くなるため、自治体の制度融資を受けることが可能となる。

換価の猶予
  1. 「換価の猶予」が認められると、猶予期間(最長2年)の延滞税が半分免除になる。
  2. 「換価の猶予」が認められれば通常、延滞税は9.1%で計算されるが、年率1.8%で計算され、免除の範囲がいっそう拡大する。
  3. 更に、既に差押えられている財産は公売にかけられない。

滞納処分の執行停止

「滞納処分の停止」が認められれば、納税義務そのものが消滅する。(3年後、又は即時)

国民健康保険の滞納③|滞納処分(差押え)られたとき

国民健康保険料の滞納を理由に財産を滞納処分されると、例え保険証が返還されても窓口負担も払えず病院に行けなくなる。何のための保険なのかもはや意味が分からない。

生活・事業の維持が困難となる滞納処分は「違法差押え」

国税徴収法第47条17(財産の選択)は、「滞納者の申し出があるときは、第三者の権利を害することが少ない財産、滞納者の生活の維持または事業の継続に与える支障が少ない財産である」ことなどを定めてる。

これが日本の法律だ。日本だけでなく世界の常識は租税債権の回収よりも「生存権や人権」が重視されるということ。

また、国民健康保険料の滞納を理由にした滞納処分には、生存権だけではなく差押禁止基準や差押禁止財産というものもある。

差押禁止基準や差押禁止財産に関しては国保料の差押禁止の基準額は【本人10万円・家族1人4.5万円】で詳しく説明しているので確認し、納税緩和処置制度の適用と差押解除を求める必要がある。

国民健康保険の滞納処分|解決事例

実際に国民健康保険料の差押えを解決した解決事例は事例はこちら

国民健康保険の滞納④|国民健康保険証が取上げられた

国民健康保険料が払えず滞納となっている理由を説明し、短期証明書・資格証明書の発行を求める。

厚生労働省の調査
国保加入全世帯 1836万62
滞納世帯 267万1058
短期保険証に交付 75万4043
資格証明書の交付 17万1501

国民健康保険の短期保険証と資格証明書の交付は合わせて92万5544世帯となっており、全滞納世帯の35%となっている。

国民健康保険の滞納⑤|病院の窓口負担が払えないとき

国民健康保険の加入者が特別な理由で病院の窓口負担金(一般3割)が払えない時は国保法44条を活用することで減額・免除することができる。

主な対象

  1. 災害による世帯主の死亡または財産損害
  2. 干ばつによる農作物の不作。不良による収入減
  3. 事業の休止・廃止、失業や所得減少

などとなっている。

収入が少ない人も対象

  1. 入院患者がいる
  2. 世帯収入が生活保護の基準以下
  3. 預貯金が生活保護基準の3か月分以下

となっている。

ただ、これは国の基準であって自治体独自にもう少し対象範囲を広く取っている自治体もある。

国保法では、国の基準に該当すれば、減免額の2分の1を国が支援することとなる制度なので該当する人は積極的に活用すべき制度だ。

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