群馬県前橋市のマジメさん(仮名)=土木=は8月28日、前橋市による児童手当の差押えを解除させ、預金口座に7万8971円が返金された。
マジメさんは、「鳥取児童手当裁判のたたかいを学んでいたから、児童手当の差押えが違法であると市に主張できた」と確信をもって話している。
- 市県民税・国保税の滞納を理由に預金差押え
- 児童手当は差押禁止財産
- 差押えは解除。国保税・市県民税は分納
児童手当の差押えは違法
前橋市が預金口座を差押えたのは8月4日。10日になって通帳を調べてところ、預金残高がゼロになっていたため、マジメさんは差し押さえられたことに気付いた。
差押えはマジメさんが10年前に前橋市(旧大胡市)に住んでいたときに、国保税と市県民税合わせて28万円(延滞税を含む)の納付が滞っていることが理由であった。
市県民税・国保税の滞納を理由に預金差押え
ところが、差し押さえられた預金口座は、子どもの給食費の引き落としのために高崎信用金庫に開いたもので、入金があるのは4カ月に1回、振り込まれるのは児童手当だけだ。鳥取県が児童手当だけを差し押さえた処分と同じだ。
「差押え禁止財産を差し押さえるなんて許せない」と憤りを感じたマジメさんは、すぐに前橋市収納課に電話を入れた。
児童手当は差押禁止財産
「口座に入金されるのは児童手当だけで、子どもの給食費や学費以外の出金はない。明細を良く調べたのか。鳥取児童手当裁判でも児童手当の差押えは違法と判決が出ている」と激しく抗議。
ところが担当者は「あくまで預金を差し押さえたものです」と繰り返すだけであった。
異議申立書で抗議
マジメさんは「仕事人グループ(仮名)と相談して異議申立書を準備し、後日、抗議に行きます」と毅然とした態度を示した。
数日後、前橋市の担当者から電話が入り、「検討した結果、児童手当と判断でき、マジメさん個人で来ていただければ対応させていただくことになりました」と話した。
差押えは解除。国保税・市県民税は分納
20日に市役所に出向いたマジメさんは通帳のコピーを示して「これは児童手当に間違いない。児童手当は差押え禁止財産ですよね」と念を押すと「そうですね。検討して連絡をします」と担当者。
マジメさんは月末に給食費が引き落とされることを話、早急に結論を出すように要望すると、翌日、「差押えを解除する」との電話が入った。滞っている国保税と市県民税は1万円ずつ分納することとなった。
(参考:全国商工新聞から)
差押え禁止財産
今回も児童手当であることの証明と、鳥取児童手当裁判の結果を示し、差押え解除に至った。児童手当もそうだが、本来、差押え禁止財産への差押えをしないことの徹底がなされると救われる人は多いことは明らかだ。だが、実際には預金債権として差し押さえられる。
対策:給与や年金、手当などは明確にする
給与や年金、各手当などは振り込まれる口座を分け、そのものであることを明確にすることが重要だと思う。そあして、差押え禁止財産であることをしっかりと主張することが重要だ。
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