社会保険料の滞納売を理由に預金口座が差し押さえられた東京都練馬区のマジメさん(仮名)=建設=は11月17日、仕事人グループ(仮名)のメンバーと一緒に練馬年金事務所と交渉し、差し押さえを解除させた。
差し押さえを契機に取引停止された元請け会社との話し合いも始まっている。希望をつないだのは「払いきれない社会保険料に困っていませんか」と呼びかける1枚のチラシだった。
社会保険料滞納で差押え!解除へ
「年金事務所が生活権を奪い、零細企業の事業をつぶすようなことをやっていいのかと腹立たしい気持ちでいっぱいだった。
仕事人グループに出会って私は救われた。国税徴収法第79条2項で預金口座の差し押さえが解除されたマジメさんは、仕事人グループの活動とメンバーに信頼を寄せながら取引再開を目指している。
国税徴収法79条2項
国税等の差し押さえの解除要件として、「滞納者が他に差し押さえることができる適当な財産を提供した場合において、その財産を差し押さえたとき」(2号)としている。
重い社会保険料負担
マジメさんは6年前IT関係の法人を引き継ぎ、建設設備や測量・建設コンサルタント、排水(廃水)処理設計、環境に関わるアセスメントなどの業態に一新した。
従業員は6人ほどだが、特殊な技術が認められて4年ほど前から大手ゼネコンからも受注できるように。
しかし、経営は決して楽とはいえず、2年ほど前から保険料の納付が遅れがちになり、年金事務所に事情を話して分納してきた。
預金口座が差押え
今年3月、予期もしない問題が襲いかかった。メーンだった建設設備の元請け会社から「諸事情が重なり、仕事を少し待ってくれ」と言われ、4月から8カ月間、仕事が途切れる事態に。
「休業でも支払わなければならない従業員の給料が大きな負担になっている」と年金事務所の担当者に相談したが、「そのような資金があるなら、こちらを優先して払うべき」と信じられない言葉が飛び出し、マジメさんは唖然とした。
8月時点で未納額は687万円になり、「8月末までに150万円を納める」という約束が困難に。
8月31日に3万円の納付を申し出たが、受け取ってもらえず、翌日にもお金をかき集めて30万円を納めようとしても担当者は「受け取ると(払えないのを)認めたことになる」と受け取りを拒否。9月6日、ついに預金口座が差し押さえられた。
取引先に通知
マジメさんは「11月に1800万円ほどの工事を受注するので、取引先には通知しないでほしい」と懇願。
にもかかわらず、担当者は取引先6社に売掛金の残高確認を強行したことから差し押さえが知れ渡り、工事発注が停止に。
「差し押さえが解除されなければ発注できない」と言われた。
担当者にそのことを話しても、「私は粛々と業務を進めているだけで責任はありません。差押え解除は残額納付が条件」と平然と言い放った。
「手足をもぎ取り動けない状態にしておきながら、そんな言葉を発するのか」。マジメさんは理不尽さと怒りで体が震えた。
差し押さえ解除のきっかけ
解決の糸口が見えない中で、短期が訪れたのは9月27日。
この日も社会保険事務所に出向いて「差し押さえ解除をしてほしい」と申し出たが、聞き入れてもらえず、マジメさんは肩を落とし、階段を下りて帰ろうとしていた時、1人の女性が声をかけてきた。
「あなたの言ってることは正しい。職員の言うことは理不尽。良かったらチラシを送りますのでファックス番号を教えてください。相談に乗ってくれるところがあるようですよ」
翌日、ファックスで送られてきたのが仕事人グループの「なんでも相談会」のチラシ。「困っていませんか?社会保険料『重すぎて払えない・・・』でも厳しい取り立て・・・」
チラシにかかれている内容はマジメさんの気持ちにぴったりだった。チラシを握りしめマジメさんは10月6日仕事人グループの事務所を訪ねた。
仕事人グループのメンバーが、「仕事人グループは中小業者の営業と暮らしを守るために、団結して要求を実現しているところです。社会保険料を払えずに困っている中小事業者はたくさんいるので一緒に力を合わせて解決しましょう」と語りかけるとマジメさんは気持ちが楽になった。
差し押さえ解除へ交渉に
マジメさんは10月25日に再度、仕事人グループと対策を相談。
11月14日から3日間、マジメさんとメンバー2人の3人は交替で年金事務所に通いつめ、徴収課長と交渉。
メンバーは「年金事務所が中小業者の仕事を奪うようなことをしていいのか」と詰め寄り、マジメさんも「差し押さえが解除されれば、元請けは工事を発注すると言っているので、社会保険料も払える」と粘り強く訴えた。
かたくなな態度だった徴収課長は「確約できる誓約書を書いてもらえれば」た次第に態度を軟化。
マジメさんが受注先に事情を話すと「来年4月までに工事の着手金を払うことで未納分を完納する」旨を書いた「上申書」を作成してくれた。
マジメさんはこれを誓約書と一緒に提出。差し押さえが解除された。マジメさんは「換価の猶予」申請の準備を始め、メンバーと一緒に年末を乗り越えようとしている。
(参考:全国商工新聞から)
2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。
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すべての問題の解決には、
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お客さまの声
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債務整理は自己破産だけでなく様々な方法がありますので弁護士にご相談ください。滞納税金・保険料の納税義務を消滅させゼロにする唯一の方法である「滞納処分の執行停止」は、債務整理の手続き後に自らが申請することで適用される制度です。
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