兵庫県西宮市のマジメさん(仮名)=飲食=は12月25日、大阪国税局から「滞納処分の停止兼納税義務消滅通知書」を受け取った。
昨年3月、滞納処分の停止が通知され、今回、納税の義務が消滅したものだ。
消滅した納税額は1991(平成3)年からのもので、総額は3400万円を超え、大半が延滞税だった。
- 法人税や消費税が滞納に
- 大阪国税局が差押え
- 滞納処分の停止兼納税義務消滅通知書
法人税や消費税の納税が滞る
阪神競馬場内で35年間、売店を経営していたマジメさん。売り上げが減少し、赤字経営になったが、当時、頼んでいた税理士が「税務調査が入るかもしれない」と言って法人税の繰戻の還付請求をしなかったことで税額が膨らみ、法人税や消費税などが滞るようになった。
大阪国税局が差押え
大阪国税局が2014(平成26)年10月に売掛金を差し押さえたことから、それを理由に競馬場は売店の契約を打ち切った。
マジメさんは納得できず、不服審判所に不服申し立てをして差押え解除を求めた。
差押え解除を求め請願
仕事人グループ(仮名)が相談に乗ってくれることを知ったマジメさん。仕事人グループのメンバーは不服審判所でのたたかいを支え、メンバーが陳述人となって意見を述べた。
マジメさんは15年1月に開かれた全国中小業者決起集会に参加し、差押え解除を求める請願書を国税庁に提出。
しかし、差押えは解除されず、商売復帰への道が閉ざされた。
保証協会が自宅の競売を取り下げ
そのことを知った兵庫県信用保証協会が自宅の競売を尼崎地裁に申し立てたことから、マジメさんは16年の全国中小業者決起集会にも参加し、中小企業庁に競売の取り下げを求めた請願書を提出。
保証協会は態度を軟化させ、50万円を返済することで競売を取り下げた。
リバースモーゲージ
「リバースモーゲージ(自宅を担保にした融資)を銀行から借り入れ、保証協会の抵当権を外せそうだ。息子たちに残す財産はないが、借金の滞納税金も残さずにすんだ。クリスマスにええプレゼントをもらった」と笑顔で話していた。
(参考:全国商工新聞から)
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