生命保険の差押財産最終処分予告が
高すぎる国民健康保険料(国保料)が払いきれず滞納したことで、広島市に生命保険を差し押さえられた広島市のマジメさん(仮名)=飲食=は、「換価の猶予」を実現。
数年分をさかのぼって確定申告を行い、所得税の還付や国保料・住民税の減額や消滅を求めることにしている。
マジメさんは「知らないということは恐ろしい。何度も身を投げようと思ったが、命を救われた。仕事人グループ(仮名)に相談してよかった」と話している。
国保料が滞納で無理な分納約束
マジメさんには、80万円近い国保料の滞納があった。区役所保険年金課と話をしたが、「払ってもらわないと困る」と言われるばかり。
結局、月7万2000円を支払うという無理のある約束をしたが、実行できず、区役所から足が遠のいていた。
「差押財産最終処分予告」が届く
すると、すでに差押えている生命保険を3月18日に解約する旨の「差押財産最終処分予告」が届いた。
突然の予告に驚き悩んでいたところ、「困ったことがあったら仕事人グループに相談してみんさい」と言われたことを思い出し、仕事人グループに相談。
確定申告の様々な問題が
相談するうちに、次つぎに問題が浮き彫りに。
- 個人の青色申告で、税理士にすべて任せている
- マジメさんは青色専従者で、もらっていないのに年に200~300万の給与をとったことになっている
- 年末調整の際、取れるはずの控除がまったく計算に入っていない
などだ。
生命保険の解約を回避
仕事人グループのメンバーとともに再度区役所に向かい、実際の収入と計算上の収入がかけ離れていること、扶養している家族が3人いることなどを説明。
当面は7万2000円の支払いを3万円にすること、保険の解約を行わないこと(換価の猶予)を確認。
また市からも、「国保料の申請減免を受け付けます」とのアドバイスがあり、ホッと一息ついている。
(参考:全国商工新聞から)
滞納処分に関する考えや方法
国は自治体職員の乱暴な滞納処分に対し、滞納者に寄り添った対応を指導している。
- 国税庁:H27年「納税の猶予等の取扱要領の制定について」(事務運営指針)で各自治体にその方針を指導している。
- 総務省:自治体職員の乱暴な徴収行為に対し、「滞納者の実情を十分把握し、適切に執行するよう」指示した文書を自治体に初めて送付した。
- 国会答弁:国会でも取り上げられている 👉参議院財政金融委員会で滞納整理が問題に
2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。
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