滞納の市県民税は「徴収猶予」、国保料は「減免申請」
神奈川県川崎市のヨイ子さん(仮名)=アロマエステ=は3月末、市県民税(20万円)について1年間の「徴収猶予」を実現した。
また昨年末には国民健康保険料(国保料)の減免の申請をし、4カ月分(約16万円)が免除され、残り6カ月分は分納で支払うことに。
残り6カ月分は分納で支払うことに。「督促状が届いて本当に気が気じゃなかった。心の底からほっとしました」と話している。
市県民税と国保料が滞納に
ヨイ子さんは4年前に開業し、アロマエステや不妊療法のアドバイス、訪問でアロママッサージを行い、順調に売り上げを伸ばしていた。
ところが、昨年は東日本大震災で顧客が被災して仕事が減少した上に、さらに材料のアロマオイルの入手が困難に。
売り上げは前年比で半減した。昨年の所得で課税される市県民税と国保料がまったく払えなかった。
国保の減免制度
昨年末に仕事人グループ(仮名)に相談したヨイ子さんは、国保料の減免制度があることを知り、すぐに申請した。
川崎市の「生活困窮減免(生活保護基準の130%以下で減免・免除など)」が適用になり昨年になり昨年12月~3月分が免除された。
制度が適用されなかった6~11月分については、月々5000円ずつ分納することになった。
国保料を安くするにはこちら ⇨ 国保料が安くなる方法!第1回は減免・徴収猶予の申請
市県民税は分割納付
3月には市税事務所に行き、市県民税の「徴収猶予」を申請。国税通則法の条文や2年分の確定申告書、家計状況表を見せながら、「支払いたけれど現状では難しい。猶予してほしい」と訴えた。
事務所側は、「実情はよく分かりました。とりあえず、今年1年間の支払いを猶予しましょう」と返事した。
(参考:全国商工新聞から)
納税の猶予
この「納税の猶予」制度は、正確には、国税と地方税によって制度の名称が違う。
- 国税の、「納税の猶予」(国税通則法46条2項)、
- 地方税の、「徴収の猶予」(地方税法15条1)、
ややこしいうえに概要は同じなので、まとめて「納税の猶予」と呼ぶ
「納税の猶予」が認められれば、
- 1年以内の納税が猶予される。また、最大2年の延長ができる。
- さらに、この制度で「猶予」が認めると延滞税が減額・免除される。
- また、「滞納」という扱いでは無くなるため、自治体の制度融資を受けることが可能となる。
また、2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。
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