この国では、憲法30条において「納税の義務」を負うと定められている。そのことから、税金を滞納し放置していると、滞納処分という公権力が行使される。
要するに、国や地方公共団体はあなたの財産を強制的に現金化し、滞納本税や延滞税の支払いに充てられるという恐ろしいことが起こるということだ。
- 税金の滞納は自己破産では消滅しない
- 税金の滞納後の流れ
- 差押えが禁止されている財産
税金の滞納は自己破産では消滅しない
税金の滞納が恐ろしいのは、自己破産などの債務整理で一般債権はすべて消滅させることが可能だが、租税債権は自己破産しても消滅しないことだ。
要するに、何もしなければ自己破産したとしても滞納税金のみが消滅せずに残り、滞納処分の執行が一生付きまとうということだ。
ただ、実際には「滞納処分の執行停止」という滞納本税・延滞税ともに消滅できる制度があるので、債務整理を行った場合には制度を活用することが重要となる。
行政側から「滞納処分の執行停止」を勧めることはまず無いので、納税者側が適用を求めるしかない。詳しくは住民税の延滞金だけじゃない!滞納本税も払わなくていい方法を参考にしていただきたい。
税金の滞納後の流れ
税金の滞納分をそのまま放置しておくと、「滞納処分」を受け、財産の差押え→公売処分または債権取立てという一連の流れとなる。
税金を滞納した場合は、国税徴収法(地方税法)により滞納処分となる。そのため、国税も地方税も滞納した後は基本的に同じ流れとなる。
1.税金の滞納
- 納付期限期限を過ぎた翌日から滞納となり延滞税が発生する
- 税金の納付期限は、税金の種類により異なる
- 納付期限は税納税通知書などに記載されている
2.督促状(催告状)による督促
- 納付期限後20日以内に督促状が送付される
- 国税徴収法では、督促状を発送した日から10日を過ぎると「財産を差し押えなければならない」とされてる(国税徴収法47条)
3.電話や文書等による督促
- 督促状を無視・放置していると電話や文書または訪問による督促がなされる場合がある
4.財産調査・差押調書
- 滞納者の生活自体や身辺調査、差押え可能な財産の有無など、差押え執行のために財産調査が行われる
- 財産調査を基に、差押えが可能な財産が見つかれば差押調書謄本などが送付される。(差押予告は自治体や担当者によっては無い場合もある)
5.差し押さえ・捜査
- 財産調査を基に、差し押さえるべき財産が決定されると差し押さえが執行される。
- 差押えは自治体の姿勢にもよるが簡単に執行される。国保料(税)だけでも、年間35万件程度が差押えられている。
- 滞納者が第三者に対して保有している債権などが取立てにより差押えられる場合もある
6.差押通知や差押登記
- 税金の差押えは、財産価値が高く、すぐに換価(現金化)できる ◉預金 ◉給与 ◉売掛金 ◉生命保険 が中心に差し押さえる傾向にある
- 売掛金の差押えの場合は取引先、給与の場合は勤務先、預金は金融機関へ差押通知書が送付される
- 不動産を差押えられた場合は差押登記がなされ、抵当権者などに差押通知書が送付される
7.公売処分・債権取立による換価(現金化)
- 差押え執行後も完納されなければ、公売処分や債権取立てがなされ換価(現金化)される
8.滞納した税金へ充当
- 換価された金額が未納分の税金に充当される
注意点:税金の差し押さえ
- 税金の滞納による差し押さえは、国税徴収法(地方税法)で徴収職員の裁量が幅広く認められているため、民間の差押えとは違い、裁判所の許可や判決が必要ない
- また、職務執行的には問題があるが、法的には滞納者に対して事前連絡や同意も必要ない
- 税金の滞納から差押え執行までの期間は、滞納の原因や滞納金額、徴収職員や各地方公共団体の徴収姿勢により違うが、国税徴収法で定める「督促状を発送した日から10日後に直ちに差押えられる」ということはさすがにない。ただ、地方公共団体によっては2ヶ月程度の滞納で差し押さえを執行する自治体もある。
国税と地方税は滞納後の流れは同じ
税金には「国税」と「地方税」があり、国税の徴収は税務署。地方税の徴収は地方公共団体となっている。
国税も地方税も差押えの流れは同じだが、地方税の場合は管轄の地方公共団体により状況が異なるが、容赦なくバンバン差押える差押至上主義のような自治体も存在する。
- 国税:所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、酒税、たばこ税、自動車重量税などがある
- 地方税:住民税、事業税、固定資産税、地方消費税、自動車税などや国民健康保険も含まれる
国税と地方税の違い
国税 | 地方税 | |
課税・徴収権 | 国 | 地方公共団体 |
法令 | 国税徴収法 | 地方税法 |
消滅時効 | 5年 | 5年 |
遡及期間 |
|
|
※消滅時効とは…請求がされない場合、税金の取り立てを行える期限
※遡及期間とは…過去の滞納分に対して遡って請求できる年数の上限
財産調査とは?
財産調査は国税徴収法第141条に定められた権限で、税金の滞納を理由に差し押さえる財産を決定するために行われる以下のような調査。
身辺調査
- 取引先や勤務先の調査
- 所得状況の調査
- 居住先や家族構成
財産調査
- 売上や給料の状況
- 不動産謄本の入手
- 自動車の有無
- 銀行口座の取引履歴の詳細
- 生命保険
- 売掛債権など
差押えが禁止されている財産
生活・事業の維持が困難となる差押えは禁止
国税徴収法第47条17(財産の選択)は、滞納者の申し出があるときは、第三者の権利を害することが少ない財産、滞納者の生活の維持または事業の継続に与える支障が少ない財産であることなどを定めている。
また、国税徴収法第75条により、児童手当などの給付金や、生活や営業に欠くことができない財産は、差し押えることができないとされている。
具体的には、衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具、生活に必要な3月間の食料及び燃料、収入を得るために必要な道具、商品を除く業務に欠くことができない器具、実印など。
詳しくは、【差押禁止条件】住民税・固定資産税・国保料・所得税・消費税で示しているのでご確認いただきたい。
税金の差し押さえから回避・解除・返金
税金の滞納による差し押さえは、税務署や地方公共団体の徴収職員が行うが、国税徴収法により徴収職員には強い権限が与えられてる。
そのため、役所に出向き、「差押えの回避・解除」を求めても、ほとんどの場合は「一括納付以外は解除しない」と突き返される。
税金の滞納による差押えは解決できる
しかし、国税徴収法は制定当時から現在に至るまで、「制度の運用に当たっては慎重の上にも慎重を期すことが当然の前提」という大原則の下で運用されている。
だが、法の拡大解釈や徴収職員不足、経験不足などから徴収現場では横暴で乱暴な「違法差押え」も乱発している一方で、納税者を守るための制度もある。
税金の滞納による差押えを解除・回避・返金させるだけでなく、延滞税を免除し軽減させる納税緩和処置という制度がある。
例えば、その納税緩和処置制度の中に「換価の猶予」という制度がある。 「換価の猶予」制度は、税金を一時に納付することで生活や事業の維持が困難となる場合に、申請に基づき差押え財産の換価が猶予される制度だ。
この「換価の猶予」制度の効果は、(1)換価の禁止(2)差押えの解除・猶予(3)延滞税の一部免除 と大きなメリットがある。 詳しくは納税緩和処置制度の活用をご確認いただきたい。
あなたにとって最も有益な情報を
あなたが、お金は有るが税金は払いたくなく、滞納しているのであれば「払えよ」としか言いようがない。
あなたが、払いたくても払えない人であれば、あなたの状況を好転するための最も有益で価値のある情報を提供することを約束する。
すべての問題の解決には、
- 基本である制度を知る
- 参考となる実例を基にシュミレーション
- 交渉を優位に進める
の3点を、三位一体で進めなければ解決には至らない。
解決事例から、あなたの状況を解決に導く実例を参考に、解決に繋げていただきたい。
制度の理解や、確実に成果を上げるための交渉・申請のポイントを、簡単に分かりやすくまとめたマニュアルも提供しているので確認していただきたい。
お客さまの声
三重県:男性
「督促状・差し押さえ対策マニュアル」を購入し、
兵庫県:女性
差押え解除のお願いに役所に何度出向いても「無理」の一点張りでしたが、督促状・差押えマニュアルを読んで交渉したら職員の態度が180度かわりました。本当にマニュアル通りに交渉したらこんなに簡単に解決できたのにビックリです。今後は経営を立て直すための勉強もしっかり進めていこうと考えています。再チャレンジができるのもマニュアルのおかげです。ありがとうございました。また、これからもよろしくお願いします。
愛知県:男性
御社が資金繰りが専門の会社とは知りませんでした。スタートアップセミナーなどにも多く参加しネットショップを開業しました。しかし、現実は厳しく学んだものはほとんど使えない知識ばかりでしたが、ここの情報は凄い!ほんとに凄いです!言われてみたら「なるほど」と思うことばかりですが、こんなに簡単にすぐに成果を出せるノウハウは他には絶対ないですね。開業前に知っていたらこんなに苦労しなくて済んだかも・・・です。
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差押問題の解決には3つの必要なことがある。
- ひとつ目は、法的制度を活用し、確実に徴収権力から差押えを回避・解除・返金することだ。
- 二つ目は、そもそもの税・保険料額を見直す。
- 三つ目は、収支・資金繰りを見直す。
ひとつ目は上記に示すマニュアルを参考にしていただきたい。二、三については自分では十分に実施していると思っていても、第三者が客観的に見直すことで状況が一気に好転する場合も多々ある。
私たちがコンサルティングしているクライアント様であっても、見直すとほとんどの場合は改善点が見つかる。ただ、私たちが直接コンサルティングを行うと高額となるので、無料で見直しができるコンテンツを以下に示すので活用していただきたい。
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税金や保険料の滞納だけでなく、借入金の返済問題も同時に抱えている人が多い一方、差押え問題の解決には債務整理も大きくかかわってくることはあまり知られていません。
なぜなら、一般的に言われるように税金の滞納は自己破産を行っても消えることはありません。しかし、実は債務整理を行うと同時に「滞納処分の執行停止」という制度を活用すれば滞納本税・延滞税をともに消滅させることができるのです。
債務整理は自己破産だけでなく様々な方法がありますので弁護士にご相談ください。滞納税金・保険料の納税義務を消滅させゼロにする唯一の方法である「滞納処分の執行停止」は、債務整理の手続き後に自らが申請することで適用される制度です。
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差押え回避のために「滞納本税だけ払い、延滞税は後から」という方法があります。
この方法は「延滞税に対して延滞税は発生しないため、これ以上支払額が増えない」だけでなく、地方公共団体の判断で延滞税の支払い免除となる場合も多くあります(延滞金の裁量は地方公共団体にあるため)。
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