「納税の猶予」が認められないことを不服として国税不服審判所に対して行う審査請求。
本事例は、そのことにより「納税の猶予」不許可処分を取り消す裁決を勝ち取った事例となっている。
✅ 本記事のポイント
- 「納税の猶予」の適用要件
- 事業に著しい損失
- 「納税の猶予」の延長申請
「納税の猶予」不許可処分の取消
「納税の猶予」が認められないことを不服として、札幌国税不服審判所に審査請求を行っていた北海道旭川市のマジメさん(仮名)=印鑑の加工・販売-法人=は先ごろ、「納税の猶予」不許可処分を取り消す裁決を勝ち取った。
「納税の猶予を申請してから1年半。仕事人グループ(仮名)に出会ったからここまで頑張ることができた」と喜びを語った。
「納税の猶予」の要件:著しい損失
不服審判所で争点になったのは「納税の猶予」の要件を定めた「事業につき著しいい損失を受けた」(国税通則法46条2項4)に関わって減価償却費などの損益計算に含めるかどうかであった。
原処分庁(旭川中税務署)は現在の支出を伴わないことを理由に、含めずに損益計算をすべきと主張。それに対して不服審判所は会計処理基準に照らして減価償却費などを計算に含めることが相当と判断した。
それらを含めて損益計算すると、調査期間(平成24年1月~12月)の損失金額が基準期間(平成23年1月~12月)の利益金額の2分の1を超えていることから「納税の猶予」の要件を定めた「事業につき著しいい損失を受けた」(国税通則法46条2項4)の4号事案に該当すると認め、原処分(平成25年4月10日付で出された納税の猶予不許可処分)を取り消す裁決を出したものだ。
所得税、消費税、延滞税
法人で印鑑の加工・販売を営むマジメさんは、売上減少などで09年頃から源泉所得税や消費税の納付が滞るようになった。
延滞税をふくめて180万円以上が未納となり、旭川中税務署は「払えなければ、家族従業員の長男の自宅を差し押さえる」と脅してきた。
困ったマジメさんは昨年1月から知り合いから紹介された仕事人に相談。1月28日、「納税の猶予」を申請した。
ところが、同税務署は調査期間の利益が黒字であること、基準期間と調査期間の売上の対比で22.9%減にとどまっているため「納税の猶予」には該当しないとして4月10日、不許可通知を出した。
税務署の判断に異議申立
異議申し立てを行ったマジメさんは代理人を立て、口頭意見陳情で反論。
調査期間と基準期間の利益額の減少幅は62.5%であり、「国税庁が納税の猶予を規定した調査期間の損益計算において基準期間の利益金額の2分の1を超えて損失が生じている場合」(「納税の猶予等の取扱要綱の制定について」昭和51年6月通達文書)に該当すると主張。
しかし、同税務署は納税の猶予は調査期間、基準期間の両期間が赤字であることが前提と主張し、異議申し立てを却下した。
不服審判所の閲覧では、決算期末の試算表を改めて確認したところ、減価償却費などを含めると調査期間、基準期間の経常損益の下方修正が必要であることが判明し、原処分の取り消しにつながった。
納付が困難で滞納に至った状況
また、納付困難についても積極的に納付能力調査を求めた。
不服審判所が店舗に出向いて売上帳などの確認と聞き取り調査を行った際、マジメさんは光熱費の支払いや従業員の給料などを自身の年金で賄っていること、併せて家計状況を訴えた。
一方、裁決は「著しい損失とは赤字を意味するものではなく、調査期間の利益額が基準期間の利益額より減少していること」というマジメさんの主張は「請求人の主張には理由がない」として退け、不満が残るものであった。マジメさんは現在、納税の猶予の延長の申請にかかっている。
(参考:全国商工新聞から)
納税の猶予
この「納税の猶予」制度は、正確には、国税と地方税によって制度の名称が違う。
- 国税の、「納税の猶予」(国税通則法46条2項)、
- 地方税の、「徴収の猶予」(地方税法15条1)、
ややこしいうえに概要は同じなので、まとめて「納税の猶予」と呼ぶ
「納税の猶予」が認められれば、
- 1年以内の納税が猶予される。また、最大2年の延長ができる。
- さらに、この制度で「猶予」が認めると延滞税が減額・免除される。
- また、「滞納」という扱いでは無くなるため、自治体の制度融資を受けることが可能となる。
また、2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。
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