税務調査にて仕入税額控除否認で追徴されるも2300万円が消滅に!

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仕入税額控除否認

本来、消費税は売上時に受取った消費税から、仕入などの経費にかかった消費税を差引き控除とされる仕組み。

しかし、帳簿などの提示がないことを理由に仕入れ税額控除を否認し、売上にかかる消費税を全額納めさすこと。

本記事のポイント

  • 税務調査で消費税の仕入税額控除を否認され、3000万円余りが追徴に
  • 裁判・請願書・分納を続けながらのたたかい
  • 「滞納処分の執行停止」の適用で追徴金2300万円の納税義務が消滅に

消費税の仕入税額控除

税務調査で消費税の仕入税額控除を否認。青色申告も取消

税務調査で消費税の仕入税額控除を否認された上に青色申告が取り消され、消費税と所得税の3000万円余りが追徴に。

不当な更正処分の取消しを求めた裁判(08年敗訴)を戦った京都市山科区のマジメさん(仮名)=土木建設=は7月24日、約2300万円の「滞納処分の停止通知書」を受け取った。

税務署による実態を無視した道理のない課税処分の破綻を認めたものである。妻のヨイ子さん(仮名)や仕事人グループ(仮名)のメンバーに支えられ、「自ら残した記帳や整理した領収書があったから戦ってこられた」と胸を張る。

税務署の強権的な税務調査との闘い

マジメさんは父親の代から続く建設業を継いで50年。主に住宅の基礎工事を手掛け、13年前に法人成りして(有)マジメ組に。長女夫婦も役員に加わり、家族で商売に励んでいた。

「自分の給料を減らしてでも赤字は絶対に出さない」「払うべき税金は納期限までにきっちり払う」ことに徹しながら納税者の権利を学び、人権を無視した税務調査や強権的な徴収とたたかい、民主的な税務行政を求めてきた。

税務署の仕入税額控除の否認は、実態を無視したもの

マジメさんや仕事人グループのメンバーが主張し続けてきたことは「仕入税額控除の否認は、実額課税も、取引の実態も無視した暴挙」ということ。

「消費税の二重取りは絶対に許さん」と立ち向かいながら、3000万円の追徴課税に対しては「毎月2万円ずつしか払われへん」と一歩も譲らず、12年間払い続けてきた。

こうした姿勢が事業を継続させながら「滞納処分の執行停止」を認めさせるという画期的な成果につながった。

その原動力は、仕事人グループのメンバーの励ましとともに、自主記帳・自主申告を貫いたことであった。

消費税の仕入税額控除には記帳と保存

マジメさんは仕事でどんなに帰宅が遅くなっても外注先ごとに日報を付け、その日報からヨイ子さんが売上先への請求書を作成し、仕入れ先の請求書や領収書を整理・保存。

金銭出納帳や経費明細帳、元帳などの帳簿もきっちり保存していた。京都地方裁判所に提出した3年分(98年から00年)の帳簿書類は35冊にも及んだ。

国税庁・大阪国税局に請願書を提出

裁判で敗訴した後も戦いは続き、マジメさんは再三にわたって大阪国税局や国税庁に「財産の差押えはしないこと」を求める請願書を提出。

ところが、大阪国税局は、マジメさんが担保として提供していた事務所の土地建物(97年9月新築)を公売にかけて145万円を追徴税金の一部に充当した(14年6月3日)。

「誠実に分納し、請願書も出しているのに、公売にかけるんやったら、これ以上払わん」と、マジメさんは大阪国税局にきっぱり宣言。

国税庁交渉(16年1月28日)に参加して激しく抗議するとともに、「滞納処分の執行停止」を求めて請願書を提出。

「滞納処分の執行停止」で2300万円の納税義務が消滅

事態が動いたのは今年4月15日。

徴収担当官から「執行停止の方向で調査を進めたい」との申し出があり、18日には自宅の捜査(財産調査)が行われ、「換価価値のある財産の発見には至らず」と判断された。

「大阪国税局員が『これだけのこと(帳簿書類もそろっていて説明もできる)をしているのに、大きな犠牲を払いましたね』と言った。その言葉を聞いて自分がやってきたことは正しかったんやと確信した」。

長いたたかいに一応の決着をつけ、安堵の表情を見せた。

消費税法第30条第8項各号では、帳簿で記載が必須要件となっているのは以下の4点

1.相手方の氏名又は名称

  • 正式名称 原則としてフルネーム
  • 不特定多数の事業者から課税仕入れを行う事業の場合は省略可

2.年月日(課税仕入れを行った年月日が異なる場合にはその日付も)

  • 商品の引渡日・提供日
  • 水道光熱費や電話料金、賃貸料などは「令和〇年〇月分」との記載でよい

3.資産又は役務の内容

  • 取引内容(商品名等)
  • 消費税が課税される物品や役務の提供であることが判断できる記載

4.対価の額(税込み)

(参考:全国商工新聞から)

最後の切り札「滞納処分の停止」

「滞納処分の停止」の要件

  • 1号要件:滞納処分を執行することができる財産がないとき(個人・法人)
  • 2号要件:滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させる恐れがあるとき
  • 3号要件:滞納者の所在及び滞納処分を執行することができる財産がともに不明であるとき

「滞納処分の停止」の要件が認められると

「滞納処分の停止」が認められれば、納税義務そのものが消滅する。(3年後、又は即時)

また、2015年に新設された申請型「換価の猶予」は申請の87%超が適用され、従来型の職権型「換価の猶予」も以前の3倍の適用が認められ飛躍的に向上している。猶予制度は大きな転換期を迎えている。

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