市県民税の分割払いは法的猶予で!延滞金は消滅・差押え回避

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住民税の分割払いは年4回までとされている。

そして一般的には、それ以上の分割払いは役所窓口に行き、担当職員にお願いすることで年12回(1年以内に完納)までは認められるという情報が浸透しているようだ。

この方法も間違いではない。しかし、上記の方法は市県民税の分割払いとしてベストな方法でない。

実は、わざわざ役所窓口に行くのであれば、「法的猶予」(後で説明)という方法で、もっと確実に納税者の事情に合った住民税の分割払いを可能にすることができる。

一般的な税金の分納

まず、滞納が発生していない場合や、差押えが迫った状況でなければ、住民税を分割払で年12回にお願いしてもメリットはほとんどない。

理由は、この住民税の分割払いは役所職員との“単なる口約束”で、税金の分納が法的に認められ保証されたものではない。なので、

  1. 延滞金(納付期限から2カ月を経過した日以降9.1%。※14.6%はH25年12月31日以前)が発生する。
  2. 督促状(催告状)が届く。
  3. 「納付誓約書」へのサインを求められる。

余談だが、「納付誓約書」にサインをしたということは、住民税の分納が約束通りに実施されなければ、契約違反という理由で、“即、差押え”となる場合がほとんどだ。シャレにならない。

また、担当職員が代わった途端に状況が一変し、「一括納付」できない場合に差押えられるケースは驚くほど多い。

滞納処分(差押えなど)の考え方

まず、市県民税などの分割払いの相談に役所窓口に出向くと「一括払いしか認めない」や「この金額(高額な分納額)しか認めない」など、全く聞く耳をもたないという対応を受けてはいないだろうか?

しかし、国は自治体職員の乱暴な滞納処分に対し、滞納者に寄り添った対応を指導している。

難解な文書だが、簡単に言うと

  1. すでに滞納税金がある場合、新規に発生する税金を優先して納税する。
  2. そのことで、新たな滞納税金を発生させない。
  3. 新規の税金は1年間で完納してもらえればよい。
  4. 乱暴な差押えなどの滞納処分をすることなく、納税者の事情にあった税金の分割払いに柔軟に対応する。

という方向性と、滞納処分の在り方を各自治体職員に示している。決して相談に来た納税者を突っぱねる指導していない。

極論だが、延滞金を払う覚悟があるなら、わざわざ窓口に行って「納付誓約書」のリスクを負わなくても、勝手に住民税の分割払いを年12回(1年以内に完納)にしても差し押さえられる可能性は低い。

では、次に本題の市県民税などの正しい分割払い方法の説明に入っていく。

市県民税の分割払いの正しい方法、「法的猶予」とは

「単なる口約束の分納」に対し、法的制度を活用した税金の分納を「法的猶予」という。「法的猶予」は市県民税の分割払いだけでなく、固定資産税や保険料などの分納でも適用できる優れものだ。

「法的猶予」には、以下の2つの制度がある

納税の猶予

  • 国税は、「納税の猶予」(国税通則法46条2項)
  • 地方税は、「徴収の猶予」(地方税法15条1)

換価の猶予(国税徴収法151条)

上記の制度を申請し適用されることで、法的に認められた税金の分納が可能となる。

※「法的猶予」を含め、税金が払いたくても払いきれない方が誰でも活用できるの説明はこちら👉 滞納の住民税・市民税・固定資産税!差押えを回避する方法


ここでは、申請者の87%が適用されるようになり、飛躍的に適用率が向上している申請型「換価の猶予」と、「単なる口約束の分割払い」との違いを説明する。

申請型「換価の猶予」が適用されると、

  1. 延滞金は9.1%から1.8%となり大幅に軽減。または完全免除となる。
  2. 猶予期間は1年以内だが、延長で最長2年が可能。また、職権型「換価の猶予」と併用することも可能で、最大6年間の換価の猶予が可能。
  3. すでに財産が差押えられている場合でも、公売にはかけられない。※要するに現金化できないため、差押える意味がなくなる。そのため差押解除となる場合がほとんどだ。

要するに、「単なる口約束の分割払い」とは全く違うもので、市県民税の分割払いにおいてはほとんどがメリットだ。

「法的猶予」のデメリット

デメリットは一つ。申請には本人による申請書の提出が必要なので、申請者自身の「面倒な手続き書類の作成」という事務負担が生じる。

また、適用される申請書には作成ポイントがある。国税庁の手引き通りに書いてもなかなか適用されない。

確実に適用される申請書の書き方(フォーマット)や、法的猶予の効果を最大限活用できる方法などは、私たちが提供する「督促状・差押え対策マニュアル」にて、小学生にでもわかるように示しているので、よければ参考にしていただきたい。

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市県民税の分割払い:まとめ

実は、一般的に言われる「単なる口約束の分納」は、非常にリスクが高いことは理解していただいたと思う。役所が口約束であっても、約束をやぶることは無いと思っている方は大きな間違いだ。

「法的猶予」は、これまで申請しても適用されるのは10%程度で、90%は適用されないハードルの高い制度であった。しかし、2015年以降は申請型「換価の猶予」が新設されたことで、申請した87%が適用されるという状況に適用率が飛躍的に向上した。

申請手続きが少し面倒ではあるが、一度申請書を作成してしまえば、今後も税金の分納が必要な場合に応用することで簡単に申請できるようになる。

いま、財産や家庭・生活・事業を守るためにも「法的猶予」を活用し、無理なく税金を分納することをお勧めする。

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